実はこの11月の再訪の折、駅に到着して駅前広場で深呼吸した途端に、自転車で通り過ぎる豊田さんとスタッフの山崎さんに声をかけられた。
その時には、あまりのタイミングに唖然とした。しかし考えてみれば、この町ではきっとそういう距離感、下町らしい距離感が当たり前なのだ。
しかしながら、この距離感が意外と難しい。
冒頭の懇談会の折、尾道特有のイカ天と鳥の砂ずり（砂肝）を乗せた広島風お好み焼きを指して、「尾道焼って好きなんですが、他所ではなかなか食べられなくて」という話をしたところ、豊田さんに「尾道焼？」と一瞬怪訝な声を出されてしまった。
どうやら「やっちまった」らしい。
広島のライブハウスの楽屋に、「『広島風お好み焼き』のことをMCで『広島焼』と言うと、『そんなものは無い』と会場が微妙な雰囲気になり、最悪の場合、SNSが炎上する事態になるので絶対に言わないように」という注意書きがある、という記事を見たことがあった。
